個人的な日記

ふりかえりとか、きもちとか。

4歳児が駄菓子屋で三千円を使う③

 

駄菓子屋で豪遊した4歳児(私)を育てた

お母さんのはなし。

 

私は泣き虫で、8つ上のお姉ちゃんとは

すぐに喧嘩をする仲だった。

 

喧嘩が酷くなると、

焼き鳥屋に電話をしては泣き叫び

度々、カブに乗ったお父さんが

喧嘩をなだめに来ました。

 

私が泣きながら家を飛び出し焼き鳥屋へ行くと

何も言わず、お母さんが店の奥に私を座らせ

「どのおにぎりがいい?」と

こんぶやたらこのおにぎりを握り

ポテトやつくねを少しだけ食べさせてくれた。

 

家に帰るとお姉ちゃんがいるので

口をへの字になっていく私と手を繋ぎ

家に着くと

お姉ちゃんやお兄ちゃんにも声を掛け、

また店に戻りました。

 

私はぎゃーぎゃー泣いて、

そのまま寝たりしていた。

 

 

3つ上のお兄ちゃんも時々喧嘩した。

でも、すぐ笑わせてくれたり

ラジオをつけて面白い番組を聴かせてくれた。

今も、優しい。

 

お姉ちゃんは、今は、大の仲良し。

遠くにいるけれど、

何かあると助け合えるきょうだい。

 

 

お母さんは、厳しいお父さんとはお見合い。

お正月が過ぎた頃、初めて逢った日が結納で

たぶん、その10日後くらいに

お父さんと結婚式を挙げて新婚旅行をし

結婚式の一週間後に焼き鳥屋を開店、

板前さんとして働き始めた女です。

10月にはお姉ちゃんが生まれました。

 

すごいしか、言えない。

 

その後も、あまり文句も言わず

まあ、お母さんが鬼になった時は

それはそれでホラーでしたが、

できるだけ私たちきょうだいの帰宅を待ち

あれこれ世話を焼いた後にいってきますをして

膝に水が溜まっているのに、

笑顔で毎日店に立ち続けました。

 

日曜日は、買い物がてら

私をあちこちに連れて行ってくれた。

サンリオショップに行きたい、とせがめば

茗荷谷までバスに乗って

いちご新聞や風の子さっちゃんのノートなどを

時々、買ってくれた。

 

お母さんの機嫌がいいと

ジュースも飲ませてくれた。

 

そんなお母さんが、いつだったか

ある日、ぽつりと言いました。

 

 

「お母さんね、お父さんに会ったら

そこでもう結婚が決まっててね。

それよりもね、ひどいのよ。

最初の見た目でね、

お父さんは銀行員だと思ってたの。

なのに、焼き鳥屋だったなんて、

お母さんすごくびっくりしちゃった!

お店をやるとか知らなかったわ!」

 

 

 

うわぁ。